キングスキャニオン(ワルカタ国立公園)

Kings Canyon

キングスキャニオン

Watarrka

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アボリジニの聖地でもある「キングスキャニオン」!

映画「世界の中心で愛を叫ぶ」のロケ地として有名になったキングスキャニオン。

そのキングスキャニオンはワタルカ国立公園の中にある。名前は英語だが、「ワタルカ」から分かるように、ここも本来は先住民の聖地である。水の乏しい沙漠地帯で、水の貯まるところは貴重だったからである。

ウルルにしてもカタ・ジュタにしても大きな岩のかたまりである。地表に表れているのはその数分の一で本体はもっと大きい。雨が降り、大部分は地表に吸収されてしまうが、こういった岩石帯は水がしみこまず、くぼみがあれば貯まって池になる。
これは、先住民が大切に使用しただけではなく、現在でも各所において水源ダムとして利用されている。

キングスキャニオンへは、アリススプリングから入るのが一般的だが、エアーズロック空港から入ってもよい。どちらから入ったとしても、かなり遠い。荒野(広野)に舗装道路が一本、250㌔余りを走る。どこまでも続く景色の中を単調な運転が続く。キングクリークステーションというキャンプ場テントで宿泊する。そこから、キングスキャニオンへはなお40㌔以上離れている。近づくにつれ右側に段丘状の山塊が現れる。この段丘というか、万里の長城の崩れたようなのは、この地の至る所で見られる。段丘の端は崖。その段丘を侵食して流れる川と渓谷がある。
規模が大きければ、渓谷ではなく峡谷になる。その入り口に回り込むと、正面に見事な崖が聳えている。

般的なコースは長短、2つある。長い方は、まず峡谷の右岸(右崖?)にあがり、上流(?)へ尾根部分を歩く。その岩の造形から「ロストシティLost City」という名所を抜け、途中で峡谷へ下りて流れ(?)を渡る。そこに涸れ沢だが一カ所、水のたまったところがあり、「エデンの園Garden of Eden」と呼ばれている。戻って、再び峡谷の上にあがり、今度は左岸(左崖上)を歩きながら徐々に下っていく。そして、最初の地点に戻る、周回コース。3~4時間。

もう一つの短いほうは、峡谷の沢をつめていくもので、流れは涸れている。水分があるから樹木やブッシュが生えている。峡谷の上部の断崖壁を眺望する人工展望台が目的地で最終地点、という往復コースで1時間。

カタ・ジュタでもそうだったが、時間さえ許せば、長いコースが絶対にいい。最初こそ、崖上に上がるためにちょっとした登山になるが、上がるにつれこの峡谷の大きさがわかる。遠くへ展望が広がり、駐車場が眼下に小さく見える。赤茶けた線状の岩地層が頑丈な壁を造っている。所々に、風化して崩れている部分もある。立ちはだかる岩塊の間を縫うようにして進んでいく。

古代都市の遺跡のような「ロストシティ」の真ん中で、ツァー客にガイドが説明している

「樹木やブッシュに手を触れてはいけない」こんな所でも繁茂しているのは、樹幹や葉を食べられないように毒があるからだ。そこを過ぎると、峡谷の核心部になる。峡谷の成立が風雨による浸食ではなく、とんでもない力で分けられた、としか思えない断崖壁が見えてくる。その上部はぽっこりとお椀をふせた小山がぽこぽこ。これが危険極まりない。というのは、足場間には隙間や亀裂が走っているからである。鉄橋や鉄梯子などそれらしく対処はしてあるが、足を踏み外したら大変だ。また、峡谷をのぞき込みたくなるのも心情。

恐る恐る端っこに行き、後ずさる。移動して、そこを横から見たらぞっとした端岩の下が、えぐれていた。

キングスキャニオン(ワルカタ国立公園)の楽しみ方

編集履歴

エアーズ・ロックやアリス・スプリングスなどから、日帰りなどのツアーや定期バスがあります。

また、エアーズ・ロックからアリス・スプリングスへ、アリス・スプリングスからエアーズロックへ移動途中で立ち寄るツアーもあり、

比較的便利な場所です。

近くには、キングス・キャニオン・リゾートというホテルやキャンプ地もあり、エアーズ・ロックやアリス・スプリングスからの日帰りツアーの分岐点になるので、それぞれのツアーバスや定期バスを乗り継ぐ中継地点でもあり、砂漠の中でのオアシスでもあります。

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記事最終修正日時: 
2013.03.21 15:01
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