王の補佐官の業務空間「闕内各司(クォルネカクサ)」探訪
昌徳宮で11月いっぱい毎週金・土・日の午後2時より、「闕内各司(クォルネカクサ)特別観覧プログラム」が行われています。闕内各司(クォルネカクサ)特別観覧プログラムは今年で2回目とのこと。
昌徳宮で務めた役人の日常
奎章閣
「奎章閣」は、正祖が即位した1776年に歴代の王の詩文と文書を保管する場所として後苑に建立されました。後に場所を移し、昌徳宮の西端の建物が「奎章閣」として機能しました。
冊庫
3万冊を超える書籍が格納されていた書庫。紅葉シーズンの今は、大きな銀杏の落ち葉が一帯を敷き詰め、美しい光景を眺めることが出来ます。
璿源殿
璿源殿は宮廷の中に歴代の先王の肖像画を奉安し、生誕日に祭祀を行っていた場所。
昌徳宮には璿源殿が2つあり、もう一つの璿源殿は後苑に造られ、こちらを新璿源殿と呼びます。1921年に徳寿宮に新璿源殿が移され、肖像画が奉安されましたが、その後、高宗の時代に、新しい住処である慶運宮の璿源殿に肖像画を移した後、火災によってほとんどが焼失してしまいました。
現在、昌徳宮にある旧璿源殿は、建物のほとんどの部分が高宗の時代のまま残っています。
芸文館
王の言葉や文章、命令文、官職の任命状などを作成、保管していた場所。役人の中には「宮廷日誌」「王室日誌」や会議内容を書記する役割があり、ここで記録された実録書によって歴史を読み解くことが出来ます。
薬房(内医院)
宮中の医薬を担当し、王の健康を管理した機関。漢江の奥深くから水を汲みだして、薬に使用したと言います。冬は水が汲めないため、牛乳を使用した駝酪粥を食したと言います。
玉堂(弘文館)
韓国の史劇ドラマが好きな人は「闕内各司」にも注目しよう!
一般的には、王の住居空間や執務空間が注目されがちですが、「闕内各司」の役割と当時の宮廷社会について学ぶと、今までは単なる建物の一部に過ぎなかった場所にも、生き生きと歴史を感じられるようになります。次回昌徳宮に行かれる方は是非、西側の官庁にも足を運んでみてください。迷路のように入り込んだ建物の中で、現代人と同じように業務を執り行っていた官吏たちの姿が目に浮かんできますよ。