朴東鎮パンソリ伝授館

パンソリは韓国の歌劇を代表する一つで今も公演などがあちらこちらで見る事ができます。１人のソリックン(唱者)とゴス(鼓手)で演じ、18世紀の初頭に韓国に誕生し19世紀には韓国で最も人気のあった音楽であったそうです。唱者が鼓手の伴奏に合わせ劇的に構成された長い話を、歌と言葉、また、身振り手振りで伝える伝統民族芸です。パンソリのパンは、三つの意味があるとされ、一つ目は、祭祀や踊り相撲を取る場と同じく、事が繰り広げられる状態や状況。二つめは、相撲や囲碁の一勝負と同じく、最初から終わりまでは完結される意味。三つめは、踊りや祭祀と同じく、専門芸人達が繰り広げる専門的な技能と言う意味だと言われています。パンソリのソリは、音や声を意味します。

そんな、伝統民芸パンソリを見るだけでなく実際に体験することは少ないと思いますが、公州(コンジュ)市には、パンソリを体験できる伝授館があるんです。本来、パンソリと言えば全羅南道（チョルラナムド）が有名なんですが、公州市にはパンソリの本家で今は亡き忍堂・朴東鎮(インドウ・パクドウヂン)先生が、生まれ育った故郷だったため、1998年｢朴東鎮パンソリ伝授館｣が設立されました。ここは、観光客の方々のためにパンソリとはどういうものか体験しながら学ぶ場です。また、パンソリの脈を受け継ぐための五つの基本や短歌、聖書パンソリ等を指導する場所でもあります。五つの基本とは、興夫歌（フンブンカ）、沈淸歌（シムチョンガ）、春香歌（チュンヒャンガ）、赤壁歌（ヂョクビョンガ）、水宮歌（スグンガ）の事です。パンソリの内容は、主に風刺や恋愛等を歌ったもので、全体の話である場(マダン)はとても長く、演奏するのに長時間かかるそうです。これらを、忍堂・朴東鎮先生指導でパンソリを学ぶ事ができたのですが、2003年に他界されは今はお弟子さん達で開講しています。パンソリ伝授館は、そんな朴東鎮先生の生涯や、使ってきたもの、パンソリについても一緒に学べる唯一、公州市だけにある伝授館です。