900年の歴史を持つ水の都、商業のかなめとして栄えた街
「周王」は上海から車で約1時間20分のところに位置する、以前は水の都として栄えた美しい都である。
沈萬三水塚。絹やお茶の貿易を行って成功した、「沈萬三」という人の水のお墓。当時の中国、呉の国から日本に入ってきた絹織物が今でも「呉服」といわれるのだそう。貿易によって大富豪になった「沈萬三」は、皇帝から妬まれ、最後はころされてしまったのだそう。
周荘の水郷は、明や清の時代の古い町並みがそのまま保存地区になっていて、入口で入場料を払って入るようになっている。これはもう、水の都ベニス(ベネチア)、中国バージョンともいえる。水のある風景は心が和む。保存地区内では、普通に住民が暮らしているのだが、観光客は自由に歩きまわって見ることができる。石畳の細い路地は何かなつかしさを感じホッとする。シーズン中は観光客であふれかえるのだが、冬の寒い季節はほとんど観光客も見当たらず、住民やお店の人たちも、のんびりと過ごしている様子だった。
川にかかる石橋の風景は絵はがきのよう。いかにも昔ながらの「中国らしい景色」を味わる。角煮屋さん、洋服屋さん、カゴを編む老夫婦、収穫した、タニシや野菜を並べる家。ここ数年で、観光客相手のお店が急激に増えたそう。上海市内ではあまりみかけなかった犬が、この街にはいっぱい放し飼いになっていた。富豪の家を見学。敷居の高さで身分がわかるのだそう。間口は狭いのだが、奥へ奥へと、どんどん部屋がつながっている。一般市民の家は素朴なのに、富豪の家、村長さんの家は風格があった。大理石など、高価なものがふんだんに使われている。フリーで行っていたら、スルーしてしまいそうがが、ガイドさんが、いろいろとわかりやすく説明してくれたので、目に入った物が一つ一つ印象に残った。
「遊覧船」と言われる船にも乗った。各種入場料や、乗船料などは、すべてツアーの代金に含まれている。日焼けした船頭さん。岸に知り合いをみつけるたびに、大きな声で会話していた。歌を歌いましょうかと言われるけが、歌ってもらうとお金を払わないとならないから断るんだよと友達に言われていたのだが、黙っていても、ガイドさんがきっぱり断ってくれていたようだった。ふわふわと水に浮いて、寒さもすっかり忘れてしまいそうな、心地よいクルージング。普通に生活している人々の家の脇を、船で通過していくのが、不思議。白壁がつづく風景と水に映った家並みは、まるで油絵か何かのよう。おばあちゃんが椅子にこしかけて日向ぼっこをしていた。とてものどかだ。いつまでもいつまでも船でぐるぐるしていたい気分だった。ここにきてよかったと感動した。
周荘の楽しみ方
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