イギリスを代表するヴォリュームたっぷりの朝食
「人間の絆」を著したイギリスの作家、ウィリアム・サマセット・モームは「イギリスでおいしいものを食べようと思えば朝食を三回食べよ。」との格言を残しています。その朝食はイングリッシュ・ブレックファーストとよばれ、ベーコン、目玉焼き、ふにゃふにゃソーセージ、マッシュルームのソテー、焼きトマト、ブラック・プディング(豚の血で作ったソーセージ)、ベイクド・ビーンズ(大豆の煮物)にバターやジャムを塗ったトーストとミルクティーが添えられます。同じような一皿でも、スコットランドではスコティッシュ・ブレックファースト、ウエールズではウエリッシュ・ブレックファーストになります。このようなヴォリュームたっぷりの朝食が食べられるようになったのは産業革命の時代からで、たっぷりの食事を時間をかけて食べる習慣が生まれました。
とはいえ、平日の朝からこのようにヴォリュームのある朝食を食べる余裕を持つイギリス人は多くはありません。普段はトーストやシリアルなどで簡単に朝食を済ませ、休日の朝にだけイングリッシュ・ブレックファーストを食べるという人が多数派のようです。
イギリスのホテルやB&B(ベット・アンド・ブレックファースト)に宿泊すると朝食にイングリッシュ・ブレックファーストが供されるのが一般的です。また、パブやカフェでは、朝食の時間帯だけではなく一日中、ブレックファーストを扱っているところもあります。高級なホテルやレストランでは、上品でおいしいブレックファーストを堪能することができますが、パブや街角にある安カフェでも充分にブレックファーストを楽しむことができます。
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