昌徳宮の前に伝統韓屋スタイルの敦化門国楽堂が開館
今年3月、ユネスコ世界遺産の一つ、昌徳宮の正門である敦化門の前に伝統韓屋スタイルの“ある建物”が建てられました。この建物の正体は「敦化門国楽堂」と言い、南山国楽堂、国立国楽院に続く、ソウルで3番目の国楽公演場です。
もともと3年前まで、この地にはガソリンスタンドがありましたが、世界遺産である昌徳宮の景観を壊すとの指摘があり、ソウル市が土地を買い取って総額450億ウォンの予算を投資して「敦化門国楽院」を創設しました。
敦化国楽堂は9月から開館となり、現在は開館前のプレビュー公演「プレ&フリー」が7月23日まで毎日行われています。
地下3階から地上1階まで、韓屋スタイルの公演会場
敦化門国楽堂の中に入ると、中央は芝生が敷かれた広場になっており、伝統韓屋独特の空間の美を活かした「コ」の字型の建築構造になっています。中央の広場は野外公演場として、こちらで国楽公演などが行われるようです。
敦化国楽堂は地下3階から地上1階まで4層で構成され、地下3階から2階には、観客席140席の室内公演場があります。
他の公演場と比べるとこじんまりとしていますが、マイクを使わなくても演奏が会場全体に伝達されるように工夫されており、楽器の音から演奏者の息遣いまでも臨場感たっぷりに伝わるところがポイントです。
9月開館を前にプレビュー公演を来月23日まで開催
敦化国楽堂は現在、9月の開館を前に、プレビュー公演が連日行われています。
チケットはたったの3,000ウォンと安価で、国楽について全く知らない人でも気軽に参加できるのがポイントです。チケットは公式HPにて事前販売もしていますが、現地での購入も可能です。
6月16日(木)には、韓国の伝統弦楽器であるヘグム(奚琴)の演奏会が行われました。
宮廷音楽からはじまり、喜怒哀楽の豊かな民俗楽、創作国楽、大衆歌謡のヘグムとアコースティックギターとのアンサンブルなど、バラエティ豊かな内容で展開されました。
ギターの弾き語りのように、ヘグムを弾きながら伝統歌楽を歌う特殊なパフォーマンスもあり、観客の五感を楽しませました。ヘグム独特の哀愁のこもった旋律が深く印象を残す演奏会でした。
韓国の伝統音楽、国楽を聞こう!
敦化門国楽堂のプレビュー公演は、市民が気軽に国楽に触れ、親しみを持てるように歌謡や創作国楽も含まれ、初心者に優しい内容になっています。
伝統音楽に興味ある人も無い人も、この機会に是非、参加してみてはいかがでしょうか?