もう誰も信じられない!? だまし、だまされる今月の韓国映画
今月の韓国映画はまさに秀逸なストーリー展開で先が読めない。
キャストも豪華で、2本ともイ・ビョンホンが演じたキャラクターは実在した人物がモデルとなっており、特異な存在として際立っている。
『MASTER/マスター』
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映画あらすじ
金融投資会社のチン会長(イ・ビョンホン)はカリスマ的な手法で数万人の個人投資家から巨額の資金を集め、国の権力者たちに賄賂をバラまき、裏金を増やしてきた。
キム刑事(カン・ドンウォン)はチン会長らを一網打尽にするため、会長の側近で天才ハッカーのパク(キム・ウビン)に司法取引を持ちかける。
パクはチン会長を裏切って警察に協力することに。チン会長は内部に裏切り者がいると疑い始めたが、悪知恵の働くパクは上手く立ち回る。だが、チン会長はパクに刺客を送り、重要なファイルを手にして姿を消す。
一年後、チン会長の死体が発見されるが、キム刑事は偽装と直感する。被害金を取り返すため、パクとともにリベンジを誓うが―。
公式サイト http://master-movie.jp/
極悪のイ・ビョンホンに立ち向かうカン・ドンウォンたち
おそろしいことに、韓国で起きた実話をもとにした作品。08年に発覚した「チョ・ヒパル詐欺事件」がモチーフになっている。イ・ビョンホンが演じた極悪の詐欺師は整形して顔を変え、今も消息がつかめていない。
カン・ドンウォンが撮影中に顔を怪我したことが話題になったが、現在、闘病中のキム・ウビンの存在感も負けていない。
『MASTER/マスター』
(2016年/韓国/143分)
11月10日(金)よりTOHOシネマズ新宿ほか、全国順次ロードショー!
エンドロールの最後までお見逃しなく!
『密偵』
(C)2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
映画あらすじ
1920年代の朝鮮半島は日本統治時代―。イ・ジョンチュル(ソン・ガンホ)は朝鮮人でありながら日本の警察に所属していた。部長のヒガシ(鶴見辰吾)から独立運動団体「義烈団」の監視を命令され、ジョンチュルは義烈団のリーダーであるキム・ウジン(コン・ユ)に近づいて懇意になる。それは義烈団の団長チョン・チェサン(イ・ビョンホン)がジョンチュルを義烈団に引き込むための餌だった。
義烈団と日本警察の情報戦が展開する中、義烈団は上海で大量の爆弾を入手する。疑うべきは敵か味方か。果たして、誰が密偵なのか。互いに探り合いながら爆弾を積んだ列車が国境を越えて京城(現在のソウル)へと向かう。そこで待っていたのは―。
公式サイト http://mittei.ayapro.ne.jp/
まばたきできないほどの豪華なキャストと緊張感あふれる展開
昨年、韓国で750万人もの観客を動員。コン・ユにとっては『新感染 ファイナル・エクスプレス』に続く大ヒットとなった。
本作は実在した「義烈団」が登場し、団員と朝鮮人警部が起こした事件をモチーフにしている。
特別出演のイ・ビョンホンの存在感も強烈だが、後半の列車内のシーンはスリル満点で観客も緊張させられる。
『密偵』
(2016年/韓国/140分)
2017年11月11日(土)よりシネマート新宿ほか全国順次ロードショー
何かと“列車”に縁のあるコン・ユ
text:児玉愛子